掲題の件、当院のサイト内にも記述してありますが、念の為この項においても述べておきます。患者さんは勿論のこと、介護保険を取り扱う介護支援専門員(ケアマネージャー)への一助となればと思います。

 

 いきなりお金に関するお話をするのも下品かもしれませんが、近頃はお金に関わることは厳しい目が向けられている感じがします。そして医療保険についても例外ではありません。その為、当院ではみんなのお金である税金を公正に取り扱う為に制度の概要をご理解頂ければと考えております。

 

①施術に対する保険点数には時間の制限が特に定められておりません

 各種保険を取り扱う医療機関の医師や歯科医師等の施術において、時間の制限は特に定められておりません。また療養費である柔道整復師、及び鍼灸按摩マッサージ指圧師も同様です。施術に10分を要しても、30分を要しても保険点数は変わりませんので料金は同額になります。

 

 その為、医療機関側としては1回の施術を長く行うよりも、短い時間で日を改めるなどして回数を行った方がお金については得なのです。そして各医療機関は患者さんに対して診療報酬の1割~3割を徴収し、残りの7割~9割は国に請求して金銭を受け取ります。

 

 各医療機関は国に対して保険請求しますが、診察や検査、及び施術などの報酬は国が定めた保険点数(1点10円)により計上されます。なので明細書には目を通して確認しておきましょう。 ” えっ!? こんなに!? ” と思うこともあるかもしれませんし、” おっ!? これだけ!? ” と思うことがあるかもしれません。そんな時は医療機関に問い合わせてみるのもいいですよ。

 

②鍼灸按摩の診療報酬

 上記①で説明したように、保険診療に時間制限が無いのであれば患者さんとしては ”長くやって欲しい” というのが本音だと思います。

 

 それでは、鍼灸按摩の診療報酬を見てみると・・・(※平成28年10月改定版)

 

 ●按摩マッサージ指圧

 1部位:285円、最大で上下肢+体幹の5部位 = 1,425円( 全身 )

 変形徒手矯正術:1肢 575円 最大で上下肢の4肢。(関節可動域訓練 ⇒ 関節運動のこと)

 温罨法:80円、電気式だと110円 (温める療法 ⇒ ホットパックなど)

 

 ●鍼灸

 1術のみ:1回 1,300円 (鍼・灸のどちらか一方を用いた場合)

 2術併用:1回 1,530円 (鍼・灸の両方を用いた場合)

 電気式の鍼灸を行った場合、電療料30円の加算。

 

 如何ですか!? 仮に鍼灸マッサージの3種を受けた場合は3,000円くらいの療養費で受けられるのです。しかも制度上は時間無制限です。

 

 そして患者さんは各種保険の負担割合(1割~3割)の支払いですので、窓口精算は 300円~1,000円 くらいです!!

 

 医師の同意書さえあれば、どんな方でも医療としての鍼灸マッサージが受けられます。※詳細は後述

 

③移送費(往療料)

 我が国日本は高齢化に伴い、足腰が不自由で自ら通院できない方も増えてきました。故に患者宅や介護施設に往診する場合も出てきます。

 

 そこで施術とは別に計上されるのが移送費(往療料)です。鍼灸マッサージの場合は以下のように定められています。

 

距離 往療料
0km超-2km以内 1,800円
2km超-4km以内 2,570円
4km超-6km以内 3,340円
6km超-8km以内 4,110円
8km超-16km以内 4,110円

 

 ◆注意事項◆

 (1)拠点から患家は原則として直線距離で測ります。※山間など著しい不合理の場合は例外有

 

 (2)これから向かう患家とその直前の患家との距離が近い場合は、近い方で計算します。下記のように①→②→③と往診する場合は、4kmや6kmの往療料ではなく、2km1,800円で計上します。従って、安くなることはあっても高くなることはないという制度です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(3)同一建物内(介護老人保健施設等)での複数人を施術する場合の往療料は、各人に算定はされず初めの1人のみに計上されます。故に同一建物内で2番目、3番目に受ける方は料金が安くなります。※実際は施術する順番が決まっていても、レセプト上では1人に往療料が偏らないように配慮されるのが一般的です。

 

まとめ

 これまで医療保険による鍼灸マッサージの料金について述べましたが、如何なものでしょうか!?

 

 当院では公正な医療を提供するべく、特に料金については隠すことなくオープンにしています。

 

 制度上では時間が無制限ではありますが、大凡の相場は国家資格保有者で60分5000円程度、民間資格や無資格は60分3000円程度のようです。

 

 私は5分や10分で満足させられるほどの達人ではありませんし、お年寄りには20分くらいが丁度良いというようなことも申しません。かといってダラダラと長くやればいいというものでもありませんが、要は患者さんが納得(満足)することが重要だと考えています。患者さんの希望も可能な限り承りますが、限度を超えると共倒れとなります。

 

 自由診療(全額自費)であれば当院と患者さんの相対で取引可能ですが、皆さんの税金で賄われるものなので、患者さんも医療機関もお互いが相手を慮り、適正な倫理観の元で行う必要があると考えています。

 

 その為には、制度の仕組みとその背景を理解する必要があります。

 

 2へ続く。