去年の七月に松葉杖をつくほどの肉離れで来院された患者様が再来院されました。過去のブログに投稿してありますが、その後の調子は良かったようです。
 今回は医師の診断があったわけではないのですが、患者様曰く” 筋膜炎 ” ではないかと。痛みが1週間くらい続いているので、きちんと治療したいとのことでした。

 筋膜炎とは筋膜の炎症のことです。(そのまんまですね;)
 筋膜というのは筋肉や内臓、及び骨などを包んでいる薄い膜のことです。この膜は潤滑の役目を担ったりします(他にもありますよ)。きっと内臓同士がくっついちゃうとテレちゃって大変なんでしょうね。なのでヌルヌルした関係で居ましょうってことです。この膜が疲労などにより炎症を起こすと痛みとなって現れます。”炎”って言うくらいですから、熱や赤身を帯びるのが通常です。
 しかし今回の患者様はそれに該当しない痛みでして、もしかすると医師によっては炎症と一括りにするかもしれません。

 さて、痛みの種類には幾つかありますが、東洋医学的観点から陰陽寒熱の大きく二種類に分類してみます。

 

①陽:筋肉などがを含んだ痛み
→ ヒリヒリキリキリツーンなど、軽く上に浮くような痛み。温めると痛みが増長。
(筋肉が旺盛して、強張ることによって生じる痛みが多く見受けられます)

 

②陰:筋肉などが湿を含んだ痛み
→ ジリジリズキズキズーンなど、重く下に沈むような痛み。冷やすと痛みが増長。
(筋肉が衰亡して、廃れることによって生じる痛みが多く見受けられます)

 

 これら二つが混ざり中間的なものもあると思います。

※ちなみにビリビリという痺れは[ 風・寒・湿 ]の三つの邪がある時に発症します。
※更に虚実を分類していくわけですが、ここでは割愛いたします。
※肝の失調による筋腱異常の痛みも別として存在します。
※人体組織の器質的な痛みは省略しています。

 

 一般的な炎症というのは①のことを指しています。なので冷やす療法が用いられ、急性的なものもあります。一方の②はどちらかというと慢性的な疾患に移行しています。故にお風呂に入って温めるだけでも緩和したりします。

 

 でゎ、今回の患者様の例でいうと・・・痛みの訴えは右脚の付け根から太もも裏あたりでした。ところが骨盤を中心として身体の軸を見てみると下記の図のように、左側に軸が寄っていたのです。所謂、骨盤の歪みというものですね。

 このような痛みの場合、右側の方をいくら頑張って施術をしてもその場凌ぎになりやすいことがあります。なので何度も繰り返し施術をしていく傾向になっていきます。(商売的にはボロ儲けだ

 

 今回は骨盤の歪みのみを図に表していますが、それと同様に股関節、膝関節、足関節にもXYZの軸が存在し、軸がズレています。

 

 主訴である右脚大腿筋の痛みですが、これは上記に説明した ②の痛み に分類されます。現代学的に言うと、廃用萎縮性の筋肉から生じる痛みと言えます。故に、右脚を的確に活用(トレーニング)すれば衰えた筋肉が活性し痛みが消失していくのです。

 

 ところが当院の経験では軸のズレが生じたままで無理やりトレーニングをしてもあまり改善しません。なるべくXYZの軸を中心に戻し、その後でトレーニングをした方が効果が高いようです。つまり、軸が整ってくれば衰えてしまった右側の方に自然と力が入り、心地よいトレーニングになるのです。

 

 でゎ、どのように治療すれば良いのでしょうか?

 

 一番不適切なのは冷湿布だと思います。筋肉が衰えて血液量も少ないわけですから、痛みが中々引かず、いずれ凍ったような感覚が出てくると思います。

 当院が行った施術は左側にズレてしまった軸を真ん中に戻すべく、痛みのある右側の施術ではなく、専ら左側の股関節・膝関節・足関節・指関節です。痛みのある患部を施術したのは軸が中心に戻ってきた仕上げ段階で、全体施術の1割くらいです。

 古典的に申しますと、” 余分に実した左側の筋肉(気)を瀉し、それを虚した右側へ補う ” というものです。

 

【原文】

【訳文】

 

 ↑原文を探していますが、見つからず・・・(苦笑)見つかり次第追記予定。

 

 こうして主に左側の下半身を中心に施術したわけですが、正確に見ていくと下半身の捻じれ(歪み)から背部を通り、肩や腕・首・頭というふうに連動していきます。今回は下半身のみですが、オマケとして軽く背部を施術しています。施術が終わり、歩いてみたら違和感が無くなったそうです。

 背中を診ると内臓の状態がよくわかります。やはり脾胃の失調が出ており、それが下半身の脚部に出ておりました。現代人に多い失調です。でも前回より調子の良い背中でしたよ。

 

 あっ、ところで今回の患者様は1度の施術で調子いいそうです♪ 施術時間は2時間弱。 良かったですね。 (全然儲かんねえぢゃねーか!)

 

 皆さんに月に1度は全身的治療をお奨めしています。内臓や血液の失調も含め、将来を予見できる先生はさほど多くありません。更に日頃の生活(特に食事)については、その人に合わせて正確に指導できる先生も少なく、それが出来て漢方という方剤を施すのが本来の道です。

 複雑化された社会においては本末転倒が多く見受けられます。人事においても同じくですよね。この手の話題はプライベートブログでぶちかまして・・・。ごきげんよう。